アロマテラピーの歴史

アロマテラピーはいつからどのように使用されているか知っていますか?精油の抽出方法が確立されたのは10〜11世紀頃なんです。それ以前は香りをどんなカタチで使用し、楽しんでいたのか。歴史を知ることで、歴史上の人物もかおっていた香りを体験でき、香りの役割を感じていただけると思います。ここでは、年代の流れと共に香りに関係の深い人物と一緒に紹介していきます。

 

古代文明

 

アロマテラピーという言葉や精油(エッセンシャルオイル)がまだない古代時代ではどのように使用されていたのでしょうか?



■古代エジプトでは・・・
香りは、神聖なものとして神に捧げるために、乳香(フランキンセンス)没薬(ミルラ)といった樹脂を薫香として使用していました。


■古代ギリシャでは・・・
古代のギリシャ人は香りをとても好んで使用していたといわれています。治療や燻蒸*1(くんじょう)、また、詩人の歌の中にも香りを恋人達が贈り物として使用されている様子が描かれています。
*1・・・殺虫や防カビなどの目的でいぶし煙をだすこと。
■古代インドでは・・・
アーユルヴェーダが誕生しました。医学だけでなく、宇宙観・自然観をも含む哲学的なもので、インドやスリランカを中心に伝統治療法として、今から約3000年以上も前から受け継がれています。

 

香りにかかわる人物


 

ヒポクラテス(紀元前460〜375年頃)

「医学の父」といわれた古代ギリシャの医学者。それまでの迷信的なものから切り離し、症状の観察や症状を科学的にとらえ、今でも通じる西洋医学の基礎を築きました。また、ヒポクラテスはマッサージの重要性を解き健康作りに用いたともいわれています。
 

クレオパトラ(紀元前69〜30年)

クレオパトラが使用していたのは精油ではなく「香油」と呼ばれる、植物油に花などを浸け芳香成分をつけたオイル(浸出油)を使用していました。とても高価な花「ローズ」「ジャスミン」「シナモン」を好んでいました。入浴後に肌へ塗ったり、異性の気を香りで引寄せるときなど香りを自由自在にあやつり、女性としての魅力を最大限に活用していました。
 

皇帝ネロ

皇帝ネロというと、ローマ大火(64年)の責任をキリスト教徒に押しつけ、大迫害をしたことなどでしられ、「暴君ネロ」ともいわれる暴れん坊だった事でも有名です。そんなネロがやまなく愛した香りといえば、ローズです。
都市政策の一環で火災を防ぐために、集合住宅の浴室の設置を禁止し「大衆浴場」の建設をすすめました。216年完成した「カラカラの浴場」ではローズの香油を身体に塗り楽しんだといわれます。他にも部屋をローズの香りで満たしていたそうです。

 

 

中世〜近代

 

精油(エッセンシャルオイル)の製造法が確立され、高価な楽しみだった香りを一般の人でも楽しめる様になってきた



精油の蒸留は錬金術の中で発達し、イブン・シーナー(980〜1037年)は蒸留法により芳香蒸留水を製造し医学に応用していました。        

 

香りにかかわる人物


 

楊貴妃

楊貴妃(719〜756)は世界三大美女の一人中国の皇妃です。「沈香」「白檀」(サンダルウッド)を好み、「沈皇亭」とよばれる沈香、白檀(サンダルウッド)を柱などに使用した建物に住んでいた。「挙体芳香」で男性を魅了していたとも伝えられています。
 

小野小町

小野小町は9世紀頃の女流歌人です。世界の三大美女の一人としても有名です。「沈香」「白檀」(サンダルウッド)「芍薬」を好み、着物や扇子、恋文などに香りを付け楽しんでいたといわれます。

 

ハンガリアン王妃エリザベート1世

エリザベート1世は14世紀の王妃。手足が痛む病気にかかり、王妃としての仕事も困難になったことを気の毒に思った修道院の僧が「ローズマリー」を主原料とした痛み止めを献上しました。その痛み止めを使用したところ、状態がみるみるとよくなり「若返りの水」といわれる様になり、エリザベート1世が70歳を超えたころ、隣国のポーランドの王子に求婚を迫られた事でも有名になりました。
 

ナポレオン&ジョセフィーヌ

ナポレオン(1769〜1821)とその妻、ジョセフィーヌの香りにまつわる話しを知っている方も多いはずです。ジョセフィーヌはローズや麝香(ムスク)の香りを好んで使用し、寝室はむせかえるほどの香りでした。それとは対照的に、ナポレオンは柑橘系の香りを好み、戦場にも持参していたといわれます。

 

 

現代

 

「アロマテラピー」の命名。精油(エッセンシャルオイル)の研究が進みだす


精油の治療効果・神経系への作用・スキンケアでの使用など研究が進み、楽しむことはもちろん健康や美容の面での使用が始まってきました。

 

香りにかかわる人物


 

ルネ・モーリス・ガットフォセ

ルネ・モーリス・ガットフォセ(1881〜1950)はフランスの科学者です。実験中に火傷を負い、ラベンダー精油を使用し治療したところ、効果的に作用した事から香りある精油の研究に没頭し、1937年に『Aromatherapy』を命名し、著しました。

 

マルグリット・モーリー

マルグリット・モーリー(1895〜1968)は、生化学者です。精油を使った美容と健康の新しい考え方を取入れ、精油を植物油に希釈したトリートメントオイルでマッサージするという方法を示しました。彼女は美容の国際的な賞「シデスコ賞」を受賞しまし、イギリスのアロマテラピーに大きな影響を与えました。